命のバトンプロジェクト9期生

TNRの依頼かと現場にいってみたら、すでに捕獲されていて、「この野良猫をどうにかしてくれ」という依頼でした。

ここ2週間、家の周りをうろついて、家の外に置いてある缶やゴミをあさり困っているとのこと。それ以前はそのようなことは一切なかったとのこと。

依頼者が捕獲したというのら猫を伊藤が持参したキャリーケースに移動させ、伊藤宅に持ち帰りました。TNRなので、手術の後は、戻すことになりますと伝えると「戻されたら川の方に持って行く」と言い張って、お話になりませんでした。

とりあえず、保護したその日は猫の様子をみることにしました。私はのら猫だと思い込んでいたので、キャリーケースごしにずいぶんとおとなしい猫だなと思いました。

キャリーケースでは様子もわからないので、Mゲージに移して再度様子をみました。

「長い間、放浪していた」とすぐにわかりました。ガリガリにやせて背中側の腰骨が浮き出ていました。「まともに食べていない」

不妊手術ができる状態ではないと思いました。とにかく動物病院受診が先決。保護日から2日後に動物病院を受診しました。保護日に行かなかったのは病院が午後休になり、翌日も定休で2日後となりました。

顔の毛がなくて赤みだらになっていました。先生いわくひどい風邪をひいている、触診では痩せている以外異常はないとのことで、足の擦り傷用の塗り薬と風邪薬を処方され、伊藤宅で栄養をつけ投薬、療養させることにしました。

病院で人にかなり馴れている猫だとわかり、びっくり。メスと判明。年齢は推定4~5才とのこと。測定体重1.8キロ。これは生後4-5か月の子猫の体重です。大人猫は3キロから5キロ位が平均体重です。痩せこけていたわけです。

チームCさかど 譲渡猫 命のバトンプロジェクト 9期生 おーちゃん
お手製の捕獲器なんだそう。それですでに捕獲されていました。捕獲場所はこのようなところ。このようなところで長く放浪していたようです。
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保護の翌日。この時点でもまだのら猫だと思っていました。オスかメスかも不明。ただ、キャリーケースに移す時もMゲージに移す時もおとなしくすんなりと移動してくれました。きっと抵抗できるほど元気がなく衰弱しているのだろうと思いました。

6月16日に病院を受診。10日間処方された薬を飲み終わる頃、24日に再受診。風邪の具合はよいとのことだったので、3種ワクチンとのみだに駆除のブロードラインをしてもらいました。

高蛋白質のご飯を出したっぷり食べてもらい、大分元気になってきていました。日中はぐっすりと眠っていることが多かったです。25日に2階の隔離部屋に移しました。Mゲージよりは大分広いです。

チームCさかど 譲渡猫 命のバトンプロジェクト 9期生 おーちゃん

警察と動物指導センターに迷い猫の連絡があるか聞きました。残念ながらありませんでした。町なかであれば脱走も考えられましたが、田んぼの真ん中にいて脱走もないだろうと思いました。とにかく一日も早く体調を元気に戻すことが先決と考えて伊藤宅でさらなる療養をさせることにしました。

チームCさかど 譲渡猫 命のバトンプロジェクト 9期生 おーちゃん
気持ちも落ち着いてきたのでしょう。顔つきもやっと普通になったというかなんというか。保護時は泣きそうな顔でしたよね。自分が望まない悲惨な体験をしたと思うと胸が痛くなります。

この後、おーちゃんは、全身の血液検査を受け特に問題はありませんでした。エイズ白血病検査もどちらも陰性。不妊手術も済ませ耳カットを入れました。

只今、元気で譲渡部屋で過ごしております。