TNR活動を説明

このホームページのあちこちに「TNR活動」という単語がたくさん出てきます。知っている人は知っているけれど、知らない人は知らない。ということで、説明いたします。

飼い主のいない猫、つまりのら猫です。ここではのら猫といいます。

のら猫の基礎知識

のら猫は、自分の縄張りの中で生活します。トイレしたいところでトイレし、ご飯のあるところでご飯を食べ、なければごみ箱を漁ります。できる猫と出来ない猫はいますがネズミなどを捕って食べます。

恋の季節になれば、メスのいい匂いに誘われオスが集まり、メス争奪のケンカも起こります。身ごもったメスは安全な場所で子猫を生みます。子猫は一か所ではなく移動しながら育てます。子猫たちが約6か月位になると、子離れをして、メスは次の恋をさがし、子猫たちは大人へと成長していきます。

のら猫の寿命は5-6年です。病気やケガなどでもっと短命で終わる場合もあります。子猫ですが、子猫の生存率は15%位だと獣医さんが言っていました。つまり6匹産まれ、無事に大人になれるのは1匹だということです。

ここまでがのら猫というものの基礎知識です。

のら猫の社会問題

のら猫は日本中にいます。のら猫の住んでいたところに人間が家を建て住み始めました。のら猫にしてみれば、以前と様子は変わったが自分のトイレに変わりはないのです。人間の地所でトイレに最適なところでトイレします。これが人間に迷惑行為だとされてしまいました。

恋の季節になればテンションもあがります。大声も上げたくなります。大好きなあの子と子作りをしたいのですから。人間も同じですよね。エネルギーを発散させる時大声が自然と出ます。でもそれが人間には迷惑行為だとされてしまいました。

人間の暮らす場所にのら猫がいて、のら猫の暮らす場所に人間がいる。お互いに譲りあって生活すれば社会問題なんていう必要もないのですがそうもいかない。

のら猫社会問題の解決策

人間と猫が仲良く譲りあって生活できない。じゃあどうするか?環境省が平成24年に「日本の皆さん、のら猫と譲りあって生きていくために「地域猫」をお勧めします。ぜひやってみてください」とお達しが出たのです。

でも、これがなかなか日本の国に浸透しない。地域猫とは、地域の住民同士でのら猫に不妊手術を施し、元の場所に戻し、トイレの設置、ご飯の配布、トイレや周辺の掃除、そこの住んでいるのら猫たちの体調管理をすることをいいます。面倒くさいのか、なんでのら猫にと思うからか、猫ぎらいが揃っているからか、言い出しっぺがいないからか、よくわかりませんが浸透しない。

そこで、地域猫の完成形ではなくとも、せめて不妊去勢手術をして元に戻すことだけでもというのが「TNR活動」です。子猫が生まれない、猫の数が増えない、自然減、のら猫からの迷惑行為も明日明後日にはなくなりませんが、徐々に減っていきます。

TNRはかしら文字です。
TはTrap(トラップ)、のら猫を捕獲するという意味
NはNeuter(ニューター)、不妊去勢手術をするという意味
RはReturn(リターン)、元の場所に戻すという意味

地域猫の完成形にならないところは、とにかく「TNR活動」をして、のら猫による迷惑行為の削減、のら猫たちに残りの猫生をのんびりとエサやりさんと暮らしてほしいと思うわけです。

子猫が生まれたら

最後にこの点は大事なことなので書かせてくださいね。

もし、母猫とおっぱいを飲んでいる子猫をみつけたら、何もせず静観していてください。上記で書いたように子猫は鼠算式には増えません。不妊去勢手術のできる月齢になったらTNRをすればいいわけです。それを幼齢猫(母乳の必要な子猫)を母親から引き離し、保健所や川にすてたりするのは、絶対にやめてください。

そのような非情な方法で排除するのではなく、すべて私たちに任せてくれればいいわけです。のら猫は昔と変わらずに生きているだけです。人間にはのら猫にはない英知が備わっています。人間の英知を駆使して、猫にも人間にも優しいい解決方法を実践していきましょう。